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2012年4月 7日 (土)

覚悟

Imgp2029昨年9月に車の事故により一部破損したカメラの修理が先日完成した。修理に要した時間が半年間かかったわけではなく、相手保険会社との決着に時間を割かれた、というのが実情。こちらの被害はハッセルブラッド本体とレンズ、D700水準器センサー不良、およびズームレンズがたつき。(ニコンのAF-S 14-24/2.8Gなので本当にヤバかった。比較的軽傷で済んだけど、ニコンに云わせれば「この手のズームはユニットごと交換しなくてはならないので修理代が高価になるおそれがある」と。最近のズームレンズは高価なものでもプラスチック鏡銅であり、ダメージを受けると怖い。なんだかなあ、それ)正直、カメラは道具であり嗜好品と云えるかどうかはその人の価値観にすぎないことが、こういうことでよくわかる。フィルムカメラなんか、もう完璧な嗜好品の部類なのかもしれない。フィルムを使うことが好き者扱いされるのは嫌だが、今時ねえ、なんて云われるとつらい。そのフィルムも市場がどんどん狭まり、コダックが破綻した時にある程度はやむを得ないと思ったものの、まさかリバーサルが全滅するとは思わなかった。モノクロやネガは供給続ける、ということだ。まあ、世界中のアーティストも困るだろうしね。

富士フイルムは以前、ライバルでもあり先輩だったコニカミノルタの写真事業撤退に寄せて異例のニュースリリースを掲げ話題になったことが記憶に新しい。(ちなみにこの文面を書いたのは元の同僚である)平成18年当時のリリースだけど、それからすでに6年も経ち、フィルムを取り巻く環境はさらに悪化していると思う。正直、ぼくは覚悟をしている。例え明日にでもフィルムがなくなっても歯を食いしばるしかないことを。どんなにフィルムを残したいと思ってもラボインフラがなければそれも難しい。フィルム用の乳剤、つまり薬品が製造中止になることもある。事実ベルビアはそれで一度生産を終了したのだが、再販売を望む声が大きくて代替えの薬品を使い復活させたのだ。

フィルムはネガというオリジナルがあることの安心感は大きく、とりわけモノクロでは絶対だと思うのだ。版画でいう版木である。デジタルはどうだろう。RAWがオリジナルなのだろうか?いや、コピーがいくらでも作れればそうとも云いがたい。でも、ぼくはデジタルカメラの誕生から関わって来ているから否定はもちろんしない。デジタルが問題なのは保存性だけだ。ええ、ネガより褪色もないしいいんじゃね?と思うだろうが記録メディアが問題だからだ。現在DVDが大量データ保存にもっとも手軽で便利だと云われているけど、残念なことに20年以上保存できるのか,今はまだわからないのだ。(そもそもDVDへ記録する物質変化の仕組みが解明されたのってつい最近だって、どういうこと?w)HDDは当然永久のものではないし、CDだって怪しい。その他消えて行ったメディアを揚げればかける機械がなければどうしようもない。

カメラもデジタルならずっと使える保証もない。使い続けたくてもメモリーカードがなくなったり、バッテリーが劣化して代替えが無くなったらその時点でおしまい。そもそもメモリーカードへ保存している画像だっていつかは消える。ってことは写真っていったい何なの?ってことだ。ハードに依存する写真はダメだ。いくら格好いいことを云っても記録にもならんってのは困る。写真は一過性の趣味や嗜好品で終わっちゃ困るんだよね。

そういう覚悟をいつも持って撮らなくちゃならんというのは、正直、疲れるんだけどね。考えなきゃいいじゃん,と思うがそうも云えない。いつかはぼくもこの世からいなくなるけど、その後の写真はどうなるのか。いいや、死んじゃったらその時点でもういいよwってのも寂しいよな。カメラへフィルムを詰めるとき、いつまでこの神聖な儀式が行えるのか、ぼくは気になって仕方がないんだけど、フィルム一本撮り終わる頃には忘れている。今はただ、ひたすら撮ることだけを考えようか。

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コメント

実は、20年くらい前にバンドをやっていたときの音源が、DATのテープに保存されていて、
仰るとおり、メディアの問題に悩まされています。
なので、本当に、コンパクトでもいいから、できるだけ写真はフイルムに残したいです。
撮りますよぉ!^^

投稿: おつかれさんこん | 2012年4月 8日 (日) 12:02

何故かお宝機材を積んでるときに限って事故ったりする、というのは某ラーメン屋さんも熱く語っておりましたよ^^;
(ライカのレアなレンズを何本だか積んでいて修理代が嵩んだとかで、やはり相手方保険会社と揉めたとかw)

ウチでは子供が小さい時のデジタルビデオカメラで写したテープで悩んでおります(^。^;)
肝心の本体機材はお釈迦様で再生装置がないと_| ̄|〇
近いうちにテープだけ写販さんに持って行ってとりあえず、DVDにしてもらおうかと。
そしてそのデータをさらにHDDにコピーし。
ちなみにデジタル画像データはHDDを新しくしたり、大容量なのが出るたびに複製して対処しております(複製だけで三世代は超えてます)。
なんだか、ルパンのマモーみたいです(笑)

で、街撮りはやはりネガフイルムの写りが素晴らしいと再認識^^
デジタルももう少し設定を煮詰めて頑張ってみますが、両刀で一本勝負した余市のときなどはとても楽しかったですね。
そういう楽しみがなくなってしまうことがないよう、願うばかりです☆

投稿: 本部長 | 2012年4月 8日 (日) 17:52

>おつかれさんこんさん
音のメディアも困るんだよね。カセットテープだけじゃなく、オープンリールもうちにはある・・・w
DATはないけど、デジタル時代になってDCCやMDだってすでに過去のもの。
メディアを失うことは文化が消えることに等しい。それが家電業界の悪しき常識かなあ。

>本部長さん
某ラーメン屋さんかw色々大変ですねえww
うちはD700に高いレンズw、K-5にK−x、ペンタ67やハッセルなど、ほぼ全力満載w
それが一気に横転し、座席を舞い、床へ墜落wwそりゃ逝きますって。
うちは以前のデータは頑張ってCDへ落としましたが、もう4年前からはHDDへコピー、
もう一台のHDDへさらにバックアップ…ですね。そろそろ三代目へもコピーしなきゃ。
DVDも正直信じていないので、もうデジタルデータはどうなるんでしょうか。

フィルムはやっぱりいいよね。最近はフィルムはやはり中判が一番安心かなとも。
東北の被災地は中判で押さえたいと思いました。他は35でもいいのですけどね。
もっとも、モノクロなので記録的というよりは作品にして残したいと考えています。

投稿: ariari | 2012年4月 9日 (月) 23:38

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