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2012年3月21日 (水)

「まち」を旅するということ

P1010603和歌山へ行って久しぶりの西日本の風情を味わってきました。この感覚は三年前に訪れた岡山は倉敷の感慨に近い。倉敷と云ってもいわゆる美観地区ではなく、もっと人の営みが見える生活の場でしたが。まあ富山も西日本だから、そんなに昔のことという感覚はないのだけど、どうもこの一年は妙に過ぎてしまい、あの震災以前の感覚に戻れるのはまだ時間がかかりそうです。今回の旅は純粋な久しぶりの「まち歩き」かもしれない。

和歌山を選んだ理由は関空からほど近く、都会ほど混雑していないことという条件。どうもぼくは東京や大阪の大都市が苦手。札幌より大きなまちは敬遠気味になりますね。ともあれ、和歌山を選んだことは大正解でした。飛行機の都合上(往復500円だから文句は云えねえw)二泊三日と云えども実質、中一日しか自由に使える日がないわけですから移動に時間がかかるエリアは除外。今回は極力荷物を少なくし、時刻表もパソコンも持ってきていないので(フィルムカメラさえ諦めたw)さっと見られるエリアだけに。本当なら19日休めたら20日まで居られたけど滞在が延びると資金もキツいんで、まあ、いいでしょう。月曜は絶対に休めないからね。

詳しい映像はphoto:modeで随時アップするとして、和歌山市、海南市、御坊市、有田市、の四つの「まち」を撮影。この他、列車の窓から見えた湯浅町も最高に萌えたんだけど次回の楽しみにしておきます。よくまあこの少ない日程でこれだけ歩いたな、というのが結論。17日の土曜日は軽く三万歩以上歩いたと思います。特に海南市では地元の人でさえ「この短い時間でここまで歩いたね」と呆れられましたからね。だって和歌山県、良すぎ。東北のまちは、勝手知ったるわけですから「だいたいこのエリア」というのが決まっているんだけど、和歌山はまちがとにかく広いの。それに勘違いしていたのは、海岸付近に線路があって、駅があって、まちが広がっているという認識。全然、海がけっこう駅からは遠いし、そこからまちが海側へどーーーん、と広がってけっこう歩かないとまちの核心部へたどり着かないの。おかげで逆に「行けども行けどもキリがない」という結論。これは一カ所だけで一日軽くフィルム10本行けるんじゃないか。(実は似たような時にピーチで関西へたまたま行っていた若い旭川在住の写真家さんは三泊四日で関西を攻めて、フィルム20本以上撮ってましたね。それはもう凄いとしか云えないです)今回はGF3だけで撮影したんだけど、前日RAW+JPEG設定にしたはずなのに、カスタム設定で追い込んであったので、なんとJPEGだけになっていた。これ、痛い。けっこう露出なんかもラフに撮ってしまい、おおきなミスを連発。普段通りならもっと慎重だったのにな。おまけにピンぼけも多発。普段なら確認するのに、液晶モニタだけに頼ったこともあってあとから気絶。

それでも、かなり枚数は押さえたつもりだけど「まち」の表情をどこまで切り取れたかは、やや不満が残る結果でしたね。なんだろう、やはりフィルムで撮っている感覚と液晶モニタ頼りのミラーレスオンリーとは勝手が違ったかな。ほとんど標準のLEICA DG SUMMILUX 25/1.4でばかり撮ったけど、それは、まあいいかと思った。やはり標準が好きなんだなあ、自分。できれば35相当のレンズがあれば、また面白かったかもしれないが28相当の14も、ここはどうしても広角じゃないとダメだ、という場所でのみ使用したからいいか。とにかく路地裏がすてきだ。車もなかなか入れないような路地が多いのだけど、軽自動車文化万歳だね。アメリカは軽自動車を廃止しろと内政干渉しているけど、お前らこんな路地裏来てみろと。土地が広大で路地裏なんかねえだろ、お前の国はw

その路地裏にしっかり長い歴史があってコミュニティがもの凄い根付いていて、商店街があり、営みがあって、という至極真っ当なまちの匂いが素晴らしかった。ただし、日本のどこでも同じように地方都市は若者がいない。商店街もシャッターが下りているところばかり。郊外にある大型路面店ばかりが目立つ景色はもう正直仕方がないのかなあという気持ちにある。でも、頑張っているんだよね。市場が健在で店先でコロッケ揚げている光景なんか、もうやはりたまんなくてね。お年寄りが増えて、結局郊外へ買い物へ行きにくくなるなら再び小さな商店街を何とかしないとなりません。

そこですよ、大型スーパーの経営者さん。ビジネスチャンスはまだありまっせ。某流通大手も国内需要が伸び悩んでいることで、アジア圏の国へ出店してゆくそうだけど、もう少し日本でやれることがあるんじゃないのかな。ぼくは大きなヒントを掴みましたね。ああ、ぼくにお金があればやってみたいよwまあ、そういうことはともかく。あちこちのまちを旅して、まちへとけ込んで好きな場所を切り取って持ち帰るってことだけでも贅沢なんだけど、ぼくはやっぱり日本が好きだ。まだ撮らねばならない光景、逢いに行きたい風情がいっぱいある。歳のせいなんだけど、もう残されて自由に旅が出来ることは何年あるんだろうかって考えたら欧米への憧れなんか吹き飛ぶね。写真家として何を見て何を撮るかって。海外の写真は、もう撮りたい人に任せるんで、やっぱり日本人が見て、共感できるものを撮りたいね。国際的に活躍するカメラマンでもなんでもないぼくはドメ専でいいよ。

ぼくが撮るまちはどこか似たようなものが多くて、見ている人からすれば「なんかどこで撮っても同じモンばっかり撮っているんじゃね?」と云われるだろうな。でも、それはぼくにとって望む所なの。説明的に撮ることの方が簡単だよね。そうじゃない、どこへ行っても「ああ、上原のまちだね」って云われるように撮りたいのだから。写真を見てもらって「いい写真だね」って云われることよりも「いいまちだね、行ってみたいな」と云われることが嬉しい。そういうの目指しているし、まちが好きだから自然とそういう撮り方になる。どんな画角のレンズを使ったのだろう、という絵よりも、目で見て感じる距離感、手触り、匂いが感じるように撮りたいのだし。きっと、ぼくは路地裏徘徊で終わる写真家であろう。でも、日本中のまちを見たいという欲求は持ち続けているので、またふらりと出かけるんだろうな。嬉しかったのは和歌山でも東北のことを気にかけて応援してくれていたことがわかった。ああ、日本はいいよね、そう感じるシーンがいっぱいありました。

そして何と云っても地方のローカルな私鉄。もの凄く頑張っている。地元の足を確保するその尽力たるや、もう泣けますよ。この三月一杯で廃止になる青森県の十和田観光電鐵は地元の方からさえも「もう、必要はないかも」と棄てられてしまったが、どっこい、まだまだ小さな鉄道が奮闘している姿も味わいたいと思いますね。それだけでも旅する理由がみつかります。あとは資金。また働いて頑張ってどこかへ行こう。今年はもうキツいんだけどw

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コメント

和歌山遠征お疲れさまでした
収穫した写真、楽しみにしております


ところで…大型小売店のグループ会社でディベロッパーを担当する会社は、そのノウハウを無償に近い状態で地域の商店街などに提供しています。

ただ商店街再生に関して最大の壁は後継者不足だとか。
血縁に固執して店を閉めてしまうケースが多く、商いを目指す若者を取り入れれば違う展開が望めるようです。


本線からの脱線失礼いたしました。

投稿: 某。 | 2012年3月22日 (木) 00:18

某さん
ん、知ってるよ、それ。
そもそも「大型店」出店ってのは地元の商工会、自治体の要請が主体だもんね。
ぼくが考えていることはここでは説明しないけど、自治体が音頭を取る必要があります。
そのモデルケースは北海道で絶対にやってみようじゃないの、と息巻いてます。

投稿: ariari | 2012年3月25日 (日) 02:16

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