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2009年1月13日 (火)

今だから話せるデジタルカメラのお話【9】

このお話も楽しみにして頂いている方がいらっしゃるので、続けますが、10回で区切りをつけますね。デジタルカメラ黎明期のお話なので、もうそろそろかなって。

今回のお話は「画質向上」についてのお話です。

デジタルカメラ、それもコンパクトタイプの画素数がどんどん大きくなって300万画素を超えてきたあたりから各社の画質傾向の違いがはっきりしてきました。
実際300万画素あれば、A4でプリントしてもちゃんと鑑賞すべき距離をおけば十分じゃないかと思えていたものです。
しかし、しかしです。コンパクトカメラで大切なのは光の導入部とも云えるレンズですよ。ここでハッキリ差が出るのです。レンズの解像度、というものがありますが、150万画素のFinePix700の発売の際に高解像度のレンズを設計し直す必要があったことを述べました
ところが、各社から発売された300万画素クラスのカメラでレンズの解像度があきらかに追いついていない機種が相当ありました。この頃は、某カメラ店で、発売されている機種のほとんどを同じ条件で撮影するテストを私が受け持ったのです。驚きました。あまりにもレンズがひどい。
まあ、自社でレンズを設計、製造までしているデジタルカメラメーカーがほとんどなかったわけですから。ましてやセンサー、画像処理回路までをすべて自社開発、製造していた会社は某社だけだったような。

レンズはレンズ専門メーカーが発売しているものを購買で調達し、組み込むのが当たり前でしたが、それでは性能が発揮できなかったのではと思います。
レンズはコストを落とすために便利に使われていたとも云えます。本来は画像処理やセンサーにコストがかかりますから、手っ取り早く出来合いのものを組み込めばいい、それも安価なものを。ってな具合だったんでしょう。
デジタルカメラの画質は入射する光からセンサーへ絵を展開するわけですが、レンズありきで画像処理を設計していたのだろうかと疑問が残ります。
逆光ではまともに絵が出ない家電(というか、その、なんていいますかw)メーカーのカメラとかありましてね、もう他の会社ながら怒りが込み上げて来たものです。買ったお客さんを失望させるようなカメラを販売していいの?
写真は「想い出を記録するもの」としてどうあるべきなのか。

空の青、樹木の緑、人の肌色。これを嗅ぎ分けるカメラじゃないとだめだ。FinePixが人工知能とも云えるイメージインテリジェンスを導入したのもその理由からでした。

例えば新緑の青々とした緑、樹木の種類によって微妙に異なる色相の変化を再現できるか。それが出来るようになったことが大きかったけど、それって販売するときの宣伝では伝えにくい部分でした。でも、いい。買ったお客さんが満足してくれれば、という想いがありました。
(実際、サンプルで店員さんに見せると驚かれましたからね)

最近、本部長さんがFinePix F100fdを買われたそうですが、その画質に驚いていました。FinePix10周年記念モデルでしたから、今までの技術を全部詰め込んだ良心の塊みたいなカメラです。私は持っていないんですけどね、辞めたあとのカメラだったし(笑)。

デジタルカメラの画質はセンサーの解像度だけでは決まらない。そんな当たり前のことをもう一度見直さなくちゃならん時代かもしれません。
あまりにも画素数が増え過ぎて、単純に画質が画素数で語られる昨今ですからこそ、ちゃんとデジタルカメラの画質について考えて欲しいのです。

Dscf0014_2

FinePix F100fd クリックで横900ピクセルになります。



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コメント

難しいお話はわからないのですが、
この写真を見て娘が大喜びしております♪

投稿: kei-ko | 2009年1月13日 (火) 16:34

このF100fd、広角の歪曲とか気にしなければ、ベストバランスのコンパクトだと思いました!
圧倒されたのは色づくリの良さとカリカリじゃない画づくりですね。
カリカリにしてコントラスト上げて、それで背面液晶を高精細なのを驕ると、初心者は購入段階でまず落とせますものね。
そんな実際の写真と関係ないところばかり強調するのが商売上手なのかもしれませんよね(爆)
ファインピクスの色は彩度の強弱にかかわらず自然なのが良いです!
しっとりした色合いってのがなんとなくカラーネガなんでしょうかね?
あとはオマケのシーンモードが面白いです(^^)
まぁ、コンパクトはそういった遊びも大事だと思いましたよ! 美肌モードとか(笑)

投稿: 本部長 | 2009年1月13日 (火) 19:56

>kei-koさん
こんばんは。
(笑)です。何に反応したんでしょーねえ。アソパソマソでしょうか。

>本部長さん
こんばんは。F100fdですが、レンズの歪みも味のうち♪。いや、実は最近のコンパクトデジタルカメラは画像処理で歪みを矯正している機種が多いんです。
富士フイルムは解像度より諧調優先の絵作りですからね。プリントした時にはじめてベストバランスと思えるような絵を出すカメラです。
モニタだけでカリカリさせるのは簡単なんですよ、マジで。
美肌モードもイメージインテリジェンスならではの機能かも。

投稿: ariari | 2009年1月13日 (火) 21:31

先生、為になるお話を楽して聞かせてもらい有難うございました。
こんなにきちんと説明してもらえる機会はなかなかないと感じ、退化した脳みそを動かしていました。
カメラを購入する人はその目的はまちまちですが、買うときにきちんとこのように細かく説明してもらえる
事はよほどでないとないものですね。私もここにきて少しづつカメラのことやらレンズの大切なこと
頭にいれるようになりましたがなかなかここまでしっかり教えてはもらえないと貴重な講義にビシッとしました。

投稿: Amy | 2009年1月13日 (火) 22:16

子供が反応?

顔が水で汚れると力が出ないシンナー中毒男じゃなくて、女の子版戦隊ヒーローのプ○キュアじゃない?

投稿: hurryblood | 2009年1月13日 (火) 22:36

いや~勉強になりますね・・・。
ariari先生!今回のこのお話と異なるものだと思いますが・・・。
先日mamakoちゃんと一眼の話をしていました。僕は40Dを使っています。
高いレンズなど買えるはずもなく、中古品ばかりで頑張ってます。
(全然不満じゃないんですよ)
ただ最近気になります、「手ぶれ補正」です。
確か、PENTAX K10DやオリンパスE-3など本体側に手ぶれ補正機能がありますよね。
回りの方でもこの機種使っている方の写真が、どれも綺麗なんです!
ある方に言うには「きれいだけど硬い」なんて言う人もいます!
しばらく新しい機種の購入予定はないんですが、参考までにどうなんでしょうね!
やっぱり無いより、あった方がいいのかな??

投稿: nori238 | 2009年1月13日 (火) 23:31

最近、子供の学校関係の撮影にFUJI S8100fdを
使っていますが、18倍という倍率のレンズの画質には
少々違和感を覚えます。
まあ、細かいことを言わなければ便利なカメラです。
単三電池で動くし。

投稿: こもれび | 2009年1月14日 (水) 13:35

>Amyさん
こんばんは。そうなんですよね。きちんと説明しない店員さんも多いし。
と云いますか、そこまで詳しい人が少ないですし、お客さんもそこまでは求めていないかも・・・
もっともなのは、カメラは趣味性が高いので個人の好みってのもありますから。
ただし、デジタルカメラは買ったものの、好みの絵がなかなか出ないコトもありますんで。難しいですねえ。

>hurryさん
こんばんは。わからん、キャラ的にアソパソマソ以外わからん。

>nori238さん
こんばんは。レンズは中古でいいと思います。私もほとんど中古(笑)。
EOS 40Dなら相当画質もいいと思いますけど、カリカリな硬い絵は、レンズに因ることが大きいかもしれません。デジタル時代向けの設計のレンズはやはり硬いです。
PENTAXでもDAレンズはやはりシャープですが、やや硬いです。ニコンのDXレンズも同じ傾向です。
それと、カメラのデフォルト設定も硬めな場合がありますし。シャープネス設定を変えるとかなり変わります。
あと、WEBに載せる場合、リサイズで硬めに見えるケースが多いかもしれません。
それぞれの方がWEB用に画像処理している場合もありますし。
手ぶれ補正はレンズ側がいいのか、ボディ側がいいのか。これ、一長一短ありますね。
ニコンを使う場合、手ぶれ補正レンズがあれば使いますが望遠側での揺れのない、ぴたっと決まったファインダー像は安心感があります。
一方、ボディ内手ぶれ補正はどんなレンズでも効きますけど、私のK200Dは効きが甘いです。特に望遠側ではあんまり効果が感じられません<故障?(笑)
画像のシャープさは三脚を使う場合にかないませんね。

>こもれびさん
こんばんは。極端な高倍率のコンパクトカメラって、無理があると思いますよ。
今後も倍率競争をやるみたいですけど、一眼レフとコンパクトの間を埋めるためなのか、売るためなのか今ひとつコンセプトがわかんないですよね。

投稿: ariari | 2009年1月14日 (水) 21:15

ありがとうございました!!!!!^^

投稿: nori238 | 2009年1月15日 (木) 23:43

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